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《試写会レビュー》多賀城市をはじめ、宮城県が舞台に!柴咲コウ×オダギリジョー×満島ひかり出演『兄を持ち運べるサイズに』11月28日(金)公開!

©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会

オーレ読者の皆様、こんにちは!
朝晩の冷え込みがぐっと増し、冬の訪れをすぐそこに感じる季節になりましたね。
こんな季節は、映画館のスクリーンで心がじんわり温まる物語に浸ってみるのはいかがでしょうか?
今回オーレ編集室がご紹介するのは、宮城県の多賀城市・塩竈市周辺でロケが行われた映画『兄を持ち運べるサイズに』(11月28日公開)。
柴咲コウ、オダギリジョー、満島ひかりという豪華キャストが共演し、家族の再生と感情の機微を丁寧に描き出す珠玉のヒューマンドラマ。どこか懐かしく、胸の奥がじんわりと温かくなるような1本です!

柴咲コウ、オダギリジョー、満島ひかりら豪華キャストで贈る、
世界一迷惑な兄が死んで再集結した家族の、てんてこまいな4日間。


『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞・報知映画賞など多くの映画賞を席捲、二宮和也主演『浅田家!』では、国内の大ヒットのみならずフランスでも大ヒットを記録。一貫して〝家族“の姿を描き続けてきた映画監督・中野量太。
その中野監督が5年ぶりとなる最新作に選んだのは、作家・村井理子氏が実際に体験した数日間をまとめたノンフィクションエッセイ「兄の終い」。疎遠になっていた兄の急死によりバラバラになっていた家族が集結、兄の人生の後片付けで様々な事実と直面する数日間の実話を、中野監督の脚本により、『兄を持ち運べるサイズに』として映画化、11月28日(金)より全国公開します。

マイペースで自分勝手な兄に幼いころから振り回されてきた主人公の理子を演じるのは、01年公開の映画『GO』で、第25回日本アカデミー賞新人俳優賞、最優秀助演女優賞をW受賞、第44回ブルーリボン賞新人賞を受賞し、以降話題作に出演し続ける柴咲コウ。
また、家族を振り回す原因となる、映画史上稀にみるダメな兄ちゃんを演じるのは、『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』で脚本・監督・編集・出演を務めるなど、俳優以外の活躍もめざましいオダギリジョー。
兄と一時は夫婦でありながらも、ある理由で離婚した元嫁・加奈子には、主演を務め興行収入51億円を突破した『ラストマイル』で第48回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した満島ひかり。
さらに、兄と加奈子の娘で両親離婚後は母と暮らす満里奈にはnicola専属モデルでドラマ「介護スナックベルサイユ」に出演の青山姫乃、二人のもう一人の子供で最後まで兄と暮らした息子・良一には、『ふつうの子ども』の味元耀大が演じ、兄の子供二人が物語に繊細でありながらも純真な息吹を吹き込んでいます。

ダメ兄が突然死んで、“家族”が再集結。
言いたかった想い、聞きたかった言葉が、心を揺らす——


作家の理子は、突如警察から、兄の急死を知らされる。兄が住んでいた東北へと向かいながら、理子は兄との苦い思い出を振り返っていた。警察署で7年ぶりに兄の元嫁・加奈子と娘の満里奈、一時的に児童相談所に保護されている良一と再会、兄を荼毘に付す。

そして、兄たちが住んでいたゴミ屋敷と化しているアパートを片付けていた3人が目にしたのは、
壁に貼られた家族写真の数々。子供時代の兄と理子が写ったもの、兄・加奈子・満里奈・良一が
作った家族のもの…。
兄の後始末をしながら悪口を言いつづける理子に、同じように迷惑をかけられたはずの加奈子は
ぽつりと言う。
「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」
兄の知らなかった事実に触れ、怒り、笑って、少し泣いた、もう一度、家族を想いなおす、4人
のてんてこまいな4日間が始まった——。

迷惑で厄介でダメな兄の死を通して描かれる、笑って泣ける家族の再生物語
“家族”って、やっかいで、めんどくさくて、でもやっぱり愛しいもの——


今回も、試写会で一足先に鑑賞してきました!

本作は、作家・村井理子さんご本人の実体験が映画化されたもの。
滋賀県で家族と暮らす理子(柴咲コウ)のもとに、ある日突然、宮城県の警察署から一本の電話が入ります。
絶縁状態だった兄(オダギリジョー)が亡くなったため、「もっとも近しい縁者」として兄の遺体を引き取ってほしいとの連絡でした。
嘘つきでだらしなく、身勝手——。金の無心ばかりしてくる兄とは長らく疎遠で、愛想も尽きていた理子は、「さっさと兄を持ち運べるサイズにしてしまおう」と、宮城県にやってきます。

死んだ兄のもとに向かったのは、理子の他に、兄の元妻・加奈子(満島ひかり)と娘・満里奈(青山姫乃)。兄に引き取られた小学生の息子・良一(味元耀大)は、兄の死後、児童養護施設に引き取られていました。
加奈子と満里奈とともに、兄が暮らしていたアパートを片付ける理子。最初は恨み言をこぼしながら作業を進めていましたが、部屋に残された品々や周囲の人々の話を通して、自分の知らなかった兄の一面に触れていきます。そして、ろくでなしだと思っていた兄の中にも、不器用ながら優しい心があったことを思い出していくのです。

やっかい者の兄を演じるのは、いわゆる「クズ男」を演じさせたらNo.1なんじゃないかと思わせるオダギリジョー。ダメなのにどこか憎めないふざけた兄はまさに彼の真骨頂といえるほど魅力的で、ダメさ加減が人間らしさとして光ります。
そのすがすがしいほどのダメっぷりが、物語を単なる悲劇ではなく、どこかユーモラスで温かいものに変えています。

上映時間は2時間を超えますが、ユーモラスな演出や軽妙な会話が続き、長さを感じませんでした。
ポスタービジュアルから「コメディタッチの作品なのかな?」と想像していたのですが、実際はハートウォーミングでじんわりと心に響く人間ドラマです。
“家族の死”という重いテーマを扱いながらも、暗くなりすぎず、笑いと涙がほどよいバランスで共存していると感じました。

理子は「兄の人生を終わらせる」という役割を担う中で、加奈子や満里奈との交流を通して兄との関係や自身の過去を少しずつ受け入れていくのですが、その様子が静かに胸に沁みてきます。
終盤の描写には少しファンタジックな要素もありますが、原作がエッセイであるため、作為的な盛り上がりやドラマチックな展開はなく、全体を通して淡々と、でもとてもリアルに、「家族とは支えであり、呪縛ではない」というメッセージが心に残ります。

「兄を持ち運べるサイズに」というタイトルには、単なる遺体の扱いという意味だけでなく、重たく抱えていた過去や感情を、自分の中でようやく「持ち運べるくらい」に軽くできる——そんな想いが込められているように感じました。

また、本作の舞台となる塩釜や多賀城の街並みにも注目です!
どこか懐かしい見慣れた港町の風景や、ゆっくりと沈む夕日が、登場人物たちの心情と静かに呼応しているようでした。地元・宮城のあたたかくも切ない風景が、映画全体に穏やかな余韻を与えています。

ダメでクズな兄と、それでも家族であり続ける人々の姿を描いた本作。
ユーモアと優しさが織りなす、静かで温かな作品でした。

家族って、やっかいだし、家族ならではの距離感もあるし、どこかめんどくさかったり、すれ違ったり、でもやっぱり愛おしかったり…簡単には切り離せないものなんですよね。そんなことを再認識させられる2時間でした。
家族の死を描きながらも、どこか優しく、温もりに満ちた作品です。
鑑賞中も鑑賞後も、きっと家族のことを思い出したり、会いたくなったり、連絡を取りたくなったりするはずです。
ぜひ映画館でご覧ください。静かな余韻とともに、心の奥がそっと温まる体験が待っているはず!


『兄を持ち運べるサイズに』

■公開日:2025年11月28日(金)
■脚本・監督:中野量太
■出演:柴咲コウ
オダギリジョー  満島ひかり
青山姫乃  味元耀大
斉藤陽一郎  岩瀬亮  浦井のりひろ(男性ブランコ)  足立智充  村川絵梨
不破万作  吹越満
■原作:村井理子「兄の終い」(CEメディアハウス刊)
■配給:カルチュア・パブリッシャーズ

映画公式 HP:https://www.culture-pub.jp/ani-movie/


※掲載の記事は2025年11月13日時点の情報となり、掲載内容によっては終了している場合もございます。あらかじめご了承ください。