ワインとともに 愛ある時間を【赤白ライフ】

赤白(あかしろ)はおめでたい色の象徴、そしてワインのカテゴリー。ワインと恋愛をコンセプトにしてポジティヴに恋愛や人生を捉え、毎回ちょっと深イイはなしをおりこみながら、ワインを紹介。ワインは種類も多く、自分でセレクトして飲むだけでは至極の一本になかなか出会えません。
恋愛や人生という普遍のテーマでワインとともに過ごす愛ある時間を提案いたします。

【27】フランスを愛した男たち

カトリーヌ・ドヌーヴ、キャサリン・ロス、ロミー・シュナイダー、シャーリー・マクレーン、イングリッド・バークマン、マリリン・モンロー、ジーナ・ロロブリジータ、バーバラ・ストライサンド、ジェーン・フォンダ…この美しく艶やかな大スターたちには、ある共通点があります。イタリアのモンスマーノ出身でフランスで活躍した俳優・シャンソン歌手の稀代の色男、イヴ・モンタンと共演した方々なのです。

イヴ・モンタンは、ムッソリーニファシスト党政権下のイタリアを離れ 、1923年フランスのマルセイユへ渡ります。美容師見習い、運転手、工場労働者などのさまざまな職業を転々としながら、歌手を目指し酒場で歌う日々の中でマルセイユで歌手デビュー、そしてパリへ。その後、映画「夜の門」で、主題歌の「枯葉」を歌ってヒットさせ、まず歌手として有名に。
1953年主演した映画「恐怖の報酬」 がカンヌ映画祭でグランプリを獲得し、俳優として世界に知られるようになり、幅広いジャンルの多くの映画に出演した方なのです。

La Peur du Rouge

東ドイツ出身のアクセル・プリュファーは、経済大学在学中に自らの道に疑問を抱き、放浪の旅に出てしまいましたが、当時のドイツには徴兵制度があり、彼は兵役には就きたくない…戦争には如何なるかたちであっても加担をしたくない…という想いから、母国を離れる決意をします…

そして辿り着いたのは、森の恵み豊かな山あいの南フランスのラングドック地方。ワインを造ることに自らの生きる道にしようと決意したのです。
自らのワイナリーにつけた名は 「Le temps des cerises/さくらんぼの実のなる頃」…名はさくらんぼの実る頃の儚い恋と失恋の悲しみを歌った曲からなのですが、フランス政府とパリ市民との間に大規模な衝突があり3万人ものパリ市民が命を落としてしまう「血の一週間」を悼む思いを込めてパリ市民がしきりに歌ったものなのです。
もちろん、イヴ・モンタンもシャンソン名曲として歌っていました。

La Peur du Rouge

遅摘みのシャルドネを皮ごと醸したワインで、色はオレンジ色がかり濁ってます。エキゾチックで旨味の多い味わいは、自然酵母で発酵させたワインならでは。ちょっと粗野に塩とハーブをまぶしてローストした鶏肉のようなシンプルなものがお似合い。
一緒に食せば、ドイツからフランスに渡ったアクセル・プリュファーや、イタリアからフランスに渡ったイヴ・モンタンのように、故郷への想いと最愛のフランスへの想いが織りなすノスタルジックで穏やかな気分に浸ることができそうです。

「モンタン、パリに抱かれた男」というイヴ・モンタンの伝記ドキュメンタリー映画があります。そのチラシからの抜粋…「イヴ・モンタン、彼の周りにはいつも女神たちがいた。エディット・ピアフは、愛人である以上に恩師でもあった。シモーヌ・シニョレは、妻にして戦友。マリリン・モンローは、永遠の恋人。そして、誰よりも彼を愛したパリという女神。彼は彼女と相思相愛だった。」
…マリリン・モンローが惚れた男?完璧にかっこいい人?…彼が歌っているシャンソンを聴けばその疑問は解けます、Le temps des cerises を傾けながら…。

profile

鳥居 創太
鳥居 創太

仙台市出身。学生時代、登山や冒険という名の旅を重ねる。ヒマラヤやヨーロッパアルプスでの登山、アメリカのヨセミテでのビッグウォールクライミング、グリーンランドでは単身世界最北の村で犬ぞりを学び、中東の紛争地も巡る。旅先でのワインやコーヒーなどの農産物との出会い…感動や驚きが尽きないその物語性に魅了され、そこに関わるビジネスでに自らの旅に出ようと決心。大学卒業後は登山関係の仕事を経てバーやカフェ、レストランなどで働く。仙台のイタリア料理店「francesca(フランチェスカ)」にて2007年のオープンよりワインやコーヒーのサービスを行う。2010年、スペシャルティコーヒーの焙煎を始める。先進国で造るワインと発展途上国で造るコーヒー…歴史や民族性を反映したその物語の奥深さに心奪われ、好奇心は止まらない。


■francesca(フランチェスカ)
フランチェスカ

Lunch/11:30〜13:00(L.O.)
Dinner/17:30〜21:00(L.O.)

定休日/毎週月曜日

☎022(223)8216

仙台市青葉区大町2丁目5-3
コーポラティブハウス大町202号

ホームページ

francesca(フランチェスカ)は、できたて、焼きたての美味しさをそのまま、やさしいイタリアンの店。手間を惜しまず必要以上に手を加えません。 素材の個性を限界まで引き出し、化学的なものは使用しないで可能な限り自然な料理を心掛け、愛情を込めて丁寧に。オープンキッチンだから全てが手に取るように見え、安心、楽しい、嬉しい、そんな時間を過ごせる店です。


■staffs

●text work/鳥居創太 & みふひれい ●text e.s./八木かすみ
●photograph/桜是三 ●cooperation shop/フランチェスカ

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