ワインとともに 愛ある時間を【赤白ライフ】

赤白(あかしろ)はおめでたい色の象徴、そしてワインのカテゴリー。ワインと恋愛をコンセプトにしてポジティヴに恋愛や人生を捉え、毎回ちょっと深イイはなしをおりこみながら、ワインを紹介。ワインは種類も多く、自分でセレクトして飲むだけでは至極の一本になかなか出会えません。
恋愛や人生という普遍のテーマでワインとともに過ごす愛ある時間を提案いたします。

【25】キャンティとタンブラーグラス

ヨーロッパの王室の王位継承者であるアン王女は、親善旅行の一環でローマを訪れます。退屈なスケジュールにうんざりしたアン王女は監視のスキをつき、こっそりと宿舎の宮殿を抜け出します。
ところが、街を散策している間に、主治医に注射された鎮痛剤の薬が効き始め、アン王女は道端のベンチで熟睡してしまい、そこへアメリカ人の新聞記者ジョーが通りかかります。身元を尋ねるものの、意識は朦朧としておりジョーは仕方なく娘を自宅アパートに連れて帰ります。
翌朝、娘がアン王女であることに気付いたジョーは、出来事をスクープにしようと企み、一方、目を覚ましたアン王女はローマで自由な時間を満喫します。

失踪したことが発覚し、宮殿は大騒ぎ…そう、1953年に公開された映画「ローマの休日」のストーリーです。その後、船の上でパーティを楽しんでいた二人の前に、追っての情報捜査官に捕らえられそうになりますが、川に飛び込み逃れ、ずぶ濡れになりながらも自宅アパートに戻ります。
アン王女がシャワールームから出てきた後、ジョーはタンブラーグラスに注いだイタリアを代表する大衆的な赤ワイン「キャンティ」を手渡します。

Chianti Colli Fiorentini

トスカーナ地方は、山岳地帯が25%、丘陵地帯が67%、気候は寒暖の差が激しい大陸的気候ですが、海岸寄は夏は涼しく、冬は温暖で安定した気候に恵まれています。
芸術の都・州都フィレンツェ、中世の文化都市シ工ナ、林立する塔の村サン・ジミニヤーノなど、イタリアの誇る中世ルネッサンスの町が多くあり、日本では最も知名度の高い州であり、イタリアを代表する名醸地でもあります。

イタリアを代表するワインの一つに、トスカーナ地方名産の「Chianti/キャンティ」があります。ひとくちに「キャンティ」と言っても、その中には多くのエリアと数え切れないほどのワイナリー、それぞれ違った造りのスタイルがあります。
そんな中から、フィレンツェの街のすぐ南に位置する Chianti colli Fiorentini のエリアに蔵を構える Lanciola(ランチョーラ)のワインを紹介します。

教会の1587年の記録によると「ランチョーラ農場は1年分の税金としてワイン1樽を納める」という記述があり、日本で言うと、織田信長が明智光秀に討たれた本能寺の変の5年後あたり…とても歴史のあるワインなのです。

ここで生産される赤ワインは、その90%ほどの原料をサンジョベーゼ種…アロマはチェリーなど赤い果実を思わせ、ほどよく含まれたタンニンが滑らかで、しっかりとした酸味と果実の甘味のバランスの取れた味わいを楽しめます。

Chianti Colli Fiorentini

旬の野菜たっぷりのスパゲッティをここで食べながら、タンブラーグラスに注いだワインを飲みながら、キャンティの丘からフィレンツェの街を遠く眺めば…なだらかな丘陵に緑濃い糸杉と淡い緑のオリ-ブの木立、その間に白い素朴な農家が点在する牧歌的で美しい風景が広がり、これぞイタリアトスカーナの良さを五感で満喫できることでしょう。

Chianti!By all means, Chianti.  I will cherish my visit here in memory as long as I live.
ローマの休日のアン王女の最後の台詞のように、自分の気持ちを素直に誠実に感じながら…。

profile

鳥居 創太
鳥居 創太

仙台市出身。学生時代、登山や冒険という名の旅を重ねる。ヒマラヤやヨーロッパアルプスでの登山、アメリカのヨセミテでのビッグウォールクライミング、グリーンランドでは単身世界最北の村で犬ぞりを学び、中東の紛争地も巡る。旅先でのワインやコーヒーなどの農産物との出会い…感動や驚きが尽きないその物語性に魅了され、そこに関わるビジネスでに自らの旅に出ようと決心。大学卒業後は登山関係の仕事を経てバーやカフェ、レストランなどで働く。仙台のイタリア料理店「francesca(フランチェスカ)」にて2007年のオープンよりワインやコーヒーのサービスを行う。2010年、スペシャルティコーヒーの焙煎を始める。先進国で造るワインと発展途上国で造るコーヒー…歴史や民族性を反映したその物語の奥深さに心奪われ、好奇心は止まらない。


■francesca(フランチェスカ)
フランチェスカ

Lunch/11:30〜13:00(L.O.)
Dinner/17:30〜21:00(L.O.)

定休日/毎週月曜日

☎022(223)8216

仙台市青葉区大町2丁目5-3
コーポラティブハウス大町202号

ホームページ

francesca(フランチェスカ)は、できたて、焼きたての美味しさをそのまま、やさしいイタリアンの店。手間を惜しまず必要以上に手を加えません。 素材の個性を限界まで引き出し、化学的なものは使用しないで可能な限り自然な料理を心掛け、愛情を込めて丁寧に。オープンキッチンだから全てが手に取るように見え、安心、楽しい、嬉しい、そんな時間を過ごせる店です。


■staffs

●text work/鳥居創太 & みふひれい ●text e.s./八木かすみ
●photograph/桜是三 ●cooperation shop/フランチェスカ

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