ワインとともに 愛ある時間を【赤白ライフ】

赤白(あかしろ)はおめでたい色の象徴、そしてワインのカテゴリー。ワインと恋愛をコンセプトにしてポジティヴに恋愛や人生を捉え、毎回ちょっと深イイはなしをおりこみながら、ワインを紹介。ワインは種類も多く、自分でセレクトして飲むだけでは至極の一本になかなか出会えません。
恋愛や人生という普遍のテーマでワインとともに過ごす愛ある時間を提案いたします。

【01】赤い糸と赤ワイン

唐の時代、中国長安の外れ、ある一人の若い男のお話し。
その男は両親を早く亡くしてしまいましたが、遺産のおかげでとても裕福な暮らしをおくり、成長したら早く結婚して幸せな家庭を持ちたいと思っていました。

ある時、用事で遠方に出かけた旅の途中、月夜の晩に不思議な老人に出会いました。天界でこの世の婚姻の仕事をしているというその老人は、赤い糸が入った大きな袋を抱えていて、男と女の足をこの糸で結ぶとどんなに憎みあっていても離れていても敵同士でも、夫婦になってしまうと言うのです。
若い男は、将来のお嫁さんは誰なのか教えてほしいと懇願すると市場に連れて行かれ、買物に来ていた盲目の老婆に抱かれた貧しい身なりの3歳の女の子だと告げられました。

男はあんな女の子が自分の嫁であってなるものかと憤慨し、もっと別の良い縁が出来るよう下僕に、その女の子を殺すように命じましたが額に傷をつけただけで終わってしまいました。
そして、14年の月日が流れ、未だ縁が無く独身のまま過ごしていた若い男は、上級役人に合格し安陽の長官の王泰の下で働いていました。男の将来性を見込んだ王泰は、容姿端麗で優しい17歳の自分の娘を嫁がせました。

申し分のない娘だったのですが、何があっても額の花飾りを外しませんでした。若者は14年前の老人の赤い糸の話しと市場での罪を思い出し、過去の自分の行動を全てを娘に話し、自分が殺そうとして額を傷つけたことを心から詫びました。若者も妻もこの縁を大切に思い、それからの人生を最後まで相思相愛に送ったということです。

Barbaresco

Barbaresco
(Rabaja di Bruno Rocca)

北イタリアのピエモンテ州で造られ、もはやイタリアを代表するワインと言っても過言ではない高級ワインがバローロとバルバレスコ。そのバルバレスコを醸す代表的ワイナリーのひとつが今回ご紹介する Bruno Rocca(ブルーノ・ロッカ)。

1958年にバルバレスコ最高の区画と言われる"rabaja(ラバヤ)"に畑を入手し、ブドウ栽培農家として協同組合や近くのワイナリーにブドウを販売していましたが、1981年に代替わりして自らボトリングを開始、ワイナリーとなりました。フランスのブルゴーニュに足繁く通い、畑ごとの土壌の違いやミクロリマ(微気候)の概念を得て、栽培や醸造、樽の使い方などに変革をもらしました。

自然な栽培と、理論的な醸造のバランスが見事な調和を見せ、力強くもエレガントなワインを生み出しています。それは、まさに果実味と樽香のバランスの極致。
ラベルには昔の修道僧が使ったという羽根ペンが銘柄ごとにそれぞれ描かれています。これはきっと、この土地の歴史を文章で著すように、このワインはつくられている、ということなのでしょうか。
そう、飲めば遥かかの地に想いが馳せられる…そんなワインです。

赤い糸ならぬ赤いワインで大切な方とつながる…嗜好、感性、思い、ワインをはさんで言葉を交わすことは、深い部分のお互いの輪郭を早く理解し合える近道です。中国の若い男の話しは縁をつくっていくために、お互いの弱い部分も素直に話しあうことも大切…という教えなのかもしれません。

赤いワインのチカラを借りて、あなたの赤い糸を一歩前にすすめましょう。
そのときはぜひ Barbaresco のエレガントな個性を二人で一緒に楽しみながら!

profile

鳥居 創太
鳥居 創太

仙台市出身。学生時代、登山や冒険という名の旅を重ねる。ヒマラヤやヨーロッパアルプスでの登山、アメリカのヨセミテでのビッグウォールクライミング、グリーンランドでは単身世界最北の村で犬ぞりを学び、中東の紛争地も巡る。旅先でのワインやコーヒーなどの農産物との出会い…感動や驚きが尽きないその物語性に魅了され、そこに関わるビジネスでに自らの旅に出ようと決心。大学卒業後は登山関係の仕事を経てバーやカフェ、レストランなどで働く。仙台のイタリア料理店「francesca(フランチェスカ)」にて2007年のオープンよりワインやコーヒーのサービスを行う。2010年、スペシャルティコーヒーの焙煎を始める。先進国で造るワインと発展途上国で造るコーヒー…歴史や民族性を反映したその物語の奥深さに心奪われ、好奇心は止まらない。


■francesca(フランチェスカ)
フランチェスカ

Lunch/11:30〜13:00(L.O.)
Dinner/17:30〜21:00(L.O.)

定休日/毎週月曜日

☎022(223)8216

仙台市青葉区大町2丁目5-3
コーポラティブハウス大町202号

ホームページ

francesca(フランチェスカ)は、できたて、焼きたての美味しさをそのまま、やさしいイタリアンの店。手間を惜しまず必要以上に手を加えません。 素材の個性を限界まで引き出し、化学的なものは使用しないで可能な限り自然な料理を心掛け、愛情を込めて丁寧に。オープンキッチンだから全てが手に取るように見え、安心、楽しい、嬉しい、そんな時間を過ごせる店です。


■staffs

●text work/鳥居創太 & みふひれい ●text e.s./八木かすみ
●photograph/桜是三 ●cooperation shop/フランチェスカ

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